猫男

市場の大広間と違い、城のまわりは薄暗く静かだった。トイレの異臭がしそうなドブ臭い湿った道があり腐ったごみがちらほらある。真っ白いひげが生えており、しなびれた茶色いリンゴの様な顔をした男が何日も洗ってないような布をまとい路上の隅で目をつぶっている。三人で並んで歩けるぐらいの道には痩せほった人間が寝てるいる光景を多く見られる。中には目と口を開けたまま寄り腰かけてる壁の対象になる壁を見ていた。しかし目の焦点はあっていない。なにか別のものを見ているかのようにつぶやいていた。


進んで歩いていくと城の兵士が痩せ細った男性をどらぁ、うらぁといいながら蹴り倒している。


「ひぇ〜兵士さん勘弁してくだせぇええ」


「勘弁したかったら城の回りによるんじゃねぇ！きたねぇんだよ！」

「じゃあ風呂かしてよ〜」

「アホか！」

といい、兵士は足にまといつく男を殴る。

すると奥から声が兵士を呼ぶ。

「それぐらいにしとけよ。新人」

男の胸蔵をつかんでいた兵士はその男を放しもう一人の兵士の方を向いて話す。

「だって先輩！今月の給料減るんですよ！」

「それはお前がサボったからだろ。少しは反省しろや」

そうだ！と殴られた男が続いて反感すると、うるさいと新人兵士が男を殴る。

(なんて無責任な後輩なんだ。いつ誰がこの穴に来るのか離れられない重要な任務なのに、こりゃ減給だな)