猫男

入れられた部屋は城の独房のようなところだった。窓は小さく、一枚しかない。灯台のように階段がたくさんあり、一区切りすると頑丈なドアがる。そのドアには頑丈な鍵がかけられているため外部からの侵入を警戒することなくいられる。

ナオミにとって、そこは憂鬱になるようなとこだった。小さい頃から、ナオミの行為に手をつけられなくなると王様はいつもその部屋に連れていくように命令した。そしてナオミがここに来て考えることは「外の世界」だった。もし外の世界に行けば今まで自分が学んだことを披露することができる。と、ナオミは認識している。王宮では、学んだことを披露してもそれを披露することは滅多にない。だいたい、一回か二回以上は見せなかった。

ナオミは小さい小窓から外を見る。

「綺麗だなぁ」


窓からは太陽の光を浴びることができ、また「カラカラ国」の絶景を見ることができた。


ナオミは体を乗り出す。
彼女の目についたのは踊り子だった。
少しパーマがかかった黒髪はツヤもなく汚かったが、その踊り子の美貌でグシャグシャな黒髪も不思議と美しく見える。少し焼けた肌はくっきりした緑色の目を活気にみちあふれていた。
変わった衣装を身にまとい踊っている。


「綺麗な人だなぁ。」


ナオミは呟くと、窓からはなれて自分が写っている化粧台の鏡を見た。彼女の白い肌を隠している柔らかい金色の髪はまっすぐ下ろされている。長さは大体背中の半分辺りまでだ。
微笑みながら自分を色んな角度から見てみる。彼女はしかめた顔になる。


「あの子とは何かが違う。あの子はもっと輝いている。私には何かが足りないような気がする」