猫男
カラカラ国の城下町は活気に溢れていた。市場では数えきれないほどの人が溢れていて、まるでお祭り騒ぎのようだ。市場は魚屋、肉屋、八百屋と三ヶ所に分かれており並んでいる。中にはいらない玩具や小物、衣類などの中古を取り扱っている店も混じっている。料理の材料を買うために来た主婦や子連れの親、そして一流シェフらしい体格の良い男性が白衣の上にジャンバーを来て歩いている。とにかくそこには色んな客が集まっている。

その市場で唯一の花屋がある。
いつものように一人の気前の良さそうな男性が花を見ている。彼の名前はジョニー・カラゴンという。
花屋のおじいさんはその男に話しかける。

「ジョニーちゃん。今日も小鳥ちゃんにお花かい」

「そうだよ、よくわかったね」ジョニーは花を嗅いだり近づいて見ている。


(いつもやってることじゃないの。まぁいいやジョニーちゃんのことやわ)
「今日はポピーがオススメだよ」

「そうなのかい?じゃあそれもらおうかな。何コチ?」

「530コチよ〜今ラッピングしとくからねぇ」
「ぁ、それじゃなくて紫が良いな。」と言い、テーブルクロスに並べられた紫色のリボンを指で指した。

「これかい?紫がすきなんて渋い小鳥ちゃんね」
まぁねと言い四角い馬鹿でかい蛇の革でできた財布を取り出す。

ジョニーは一流のハンターとして町中の人々に知られていた。特に彼が得意にしていたことはお尋ね者探しだった。別名は「万事解決のジョニー」と呼ばれている。だが、裏では「女たらしのジョニー」と呼ばれていたりする。


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