日だまりの愛
「隆……隆!!」
だんだん離れる隆を呼び止めた
呼び掛けに気付いた隆が振り返った
「たかしぃ」
涙が止まらない私は
その場で立ち尽くすだけ
隆が私の前に歩いてきて目の前で止まった
「ごめん」
隆は私の体を自分の胸の中に寄せた
「やっぱ.お前の事.誰にも渡せない」
「え?」
「桃が幸せなら離れた方がいいかな..って思ってたけど無理だわ。最近.俺の前で笑ってないし.一緒にいない方がいいのかとか思ってた。でも……俺のそばにずっといてよ。俺の事好きになってよ」
隆の胸の中も言葉も
体に温かさをめぐらせる魔法
あれだけ悩んでもこの言葉で私の鍵をかけたはずの心が溢れだすんだもの
「俺には桃が必要だ」