お前のためなら死んでやる3
「誰だろあの子?」
黒い髪にパッチリした目。
学校を抜け出したって言ってももうまわりは誰がみても夜。
ちゃんとは見えなかったけど、確かにレイと可愛い少女が話をしていた。
少し近づくと声が聞こえた。
「ねぇ、どうして泣いてるの?」
レイは1人泣いていた。
「寂しいの?苦しいの?1人なの?」
少女がレイにといかける。
「ううん。別に寂しくなんかないし」
「じゃあなんで泣いてるの?」
「お腹が減っただけ。」
レイはいつだって心配をかけないように強がる癖がある。
だから今回も1人で抱え込んで苦しんでいる。
誰もレイに声をかけようとしない。
苦しいなんて姿、まわりの同級生には分からないんだ。
みんな、笑えているから。
笑えなくなったレイの気持ちを分かっていない。