君の笑顔が




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ふと、ゆきの声が無償に聞きたくなった。
どうしてかはわからないけど、無償に。



ゆきの携番わかんないな…。
家電…わかるかな。





あ、そういえば悠斗に教えてもらった。



携帯のアドレス帳から
ゆきの家の番号を調べた。

いつか悠斗からきいたんだろう
ゆきの番号はちゃんとあった。




少し緊張しつつも
その番号に電話をした。







『…もしもし』


「…もしもし…ゆき?」



声がいつもより色っぽくて、
耳の近くで響いたもんだから、
ゾゾっとした。


『彰?どうしたの?』


最初はいつも通りのゆきだったが、
だんだん声をつまらしはじめた。





…泣いてる?




「ゆき…泣いとる?」


そう言った瞬間、ゆきは
本当に泣き出した。



あぁ、俺しかいない。
ゆきのそばにいられるのは。


「今からゆきんち行くから。」




そう言って電話をきると、
俺はすぐにゆきんちに直行した。






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