君の笑顔が





*******************



次の日、病院へ行くことになった。


悠斗がほんまに目を覚ましているのか

確かめるために…。






病院に向かっている途中で
俺はふと思った。



悠斗が目を覚ました


それなら、ゆきにとっての
俺の役割ってなんなん?

悠斗が目を覚ました今

俺はゆきにとって

ただの友達に戻ってしまった。





こんなに早く、
こんな日がくるなんて
思わなかった…。






灰色の雲で覆われた広い空は
まるで俺のようで、つい
立ち止まって魅入ってしまった。




「…彰?」


ゆきが振り返る。

なにもわかってないゆきに
切なさを感じて、拳に力が入った。


< 161 / 174 >

この作品をシェア

pagetop