君の笑顔が




悠人のお母さんは

ゆきの涙に気づくと

慌てて駆け寄ってきた。

「あらあらどーしたん?」

心配そうにゆきの顔を覗いてくる。

「…っふ…」

そしたらまた涙が溢れだした。

「…悠人の、お友達?」

「…っ」

ゆきは黙って頷いた。

「名前は?」

「…春野 ゆ…きです…っ」

悠人のお母さんは優しく微笑むと

悠人の隣の椅子に座った。

そして、優しく悠人を見つめて言った。


「…さっき先生と話したけど
命に別状ないみたいじゃけん
安心して…。」

その言葉を聞いて

ゆきはホッと安心した。

そのせいか、涙がどんどん溢れ出した。

「…ひっ…っく…こわかっ…た…」

泣きじゃくるゆきを

悠人のお母さんは抱きしめてくれた。



< 49 / 174 >

この作品をシェア

pagetop