Hello,Nightmare!!
そこにいたのは、僕の幼なじみである真琴だった。
しかし、服装がおかしい。
「………………どこかで頭打った?」
「何よー。確かにこんな時間に来たのは悪かったと思ってるけど」
「いやいやそうじゃなくね」
夜中だから見えにくかったけども、僕は鳥目ではなかったから何とか確認できた。
真琴が、変な格好をしている。
ドクロのアクセサリーがついた濃い紫の尖り帽子に、黒いひらひらのワンピース。
足元は素足で、唯一可愛らしい青のリボンがついたサンダルを履いている。
その出で立ちは、まさに魔女そのもの。
僕は寝ぼけているのか。
一度目をこすったり、頬をつねるなどの古典的な方法をとる。
痛いし真琴の格好は変わっていない。
コスプレの趣味なんてなかったはずだけどなあ。
そう遠くに精神を飛ばしていた時。
ぐい、と手をひかれる。
何も言えずに真琴の顔を見つめる。
「ふふ、知ってた? 今日はハロウィンなのよ!」
にこりと太陽のような笑みを向ける真琴。
僕はそんな彼女にされるがまま。
あっという間に外へ出された。
真琴が、どこからか箒を取り出す。
あれ、手品なんていう特技あったっけ。
僕が首を傾げると、真琴が白い歯を見せた。
「これは、魔法だからね?」
「は」
「とりあえず皆のところに行きましょう!」
箒に跨る幼なじみ。
僕も強制的に跨ることに。
よくわかっていない僕なんかお構いなしに、彼女は右手の人差し指を振った。
ちろりん、なんて効果音が似合いそうな動きで。
「う、うわあ!?」
僕は驚愕の声をあげる。
地に足がつかなくなったからだ。