距離
「俺らがこの公園で、いじめっ子との大戦争したの覚えてないか?

俺の事を追い掛けてきて、あいつらが石なげてきてさぁ…」
そーいえばあたしは、保育園くらいの頃石を投げられて額にあたった事がある。それってりょうといた時だったなんて忘れてた。
りょうは更に続ける。
「あの時のゆいかはホントかっこよかったよ。
俺は弱っちくて、ビービー泣いてさぁ。
けどゆいかは額から血流しながら泣くのガマンして、あいつらに言ったんだよな。
『モノ使わなきゃ勝てないなんて弱虫なんだよ』
って。
さすがにあいつらもびびって逃げて行ってさぁ。
そしたら急にゆいか泣きやがって、
『痛い、痛い!!』
って大騒ぎ。
結局、家まで俺がおんぶして帰ったんだぞ」
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