距離
「じゃあ俺はこっちの校舎だから!」
「あっ!うん。またアトで。」
あたしたちの学校は3年生は4組までは新校舎で5組と6組は旧校舎にある。
ちなみにあたしは6組。
りょうは1組。

よりによって一番遠い教室。
はぁぁぁ。
大きなため息が漏れた。

「ちょっと朝からそんな大きいため息やめてよ!
どーせ1組と6組のこの距離がせつないとか思ってたんでしょ?」
うっ…
図星…。
こんなふうにあたしの気持ちをすぐ察しちゃうのは親友のまきしかいない。
「おはよ。まき。」
「おはよ。ゆい。
今日も恋する乙女だね。」


そう。毎日言い合いしててもあたしは恋する乙女。
ただの幼なじみのハズのりょうにしっかり恋しちゃってるんだ…
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