たったひと言。
でも……やらなきゃわたしも…いじめられる……。


なに考えてるの!?


冨永さんは親友でしょ?


わたしの心が叫んでいる。


どうしたらっ……


「いいよ」

え……?


冨永さん?


「何やってるの!?はやく~」

その声はわたしにしか聞こえなかったようだ。

固まっているわたしに優しく微笑んで、

「ほら、水かけて?じゃないと希咲ちゃんもいじめられちゃう…」


―――――・・・・


優しすぎるよ……


こんな、最低のわたしにそんな笑顔はもったいない。


「ごめん!!冨永さんっ…」

バシャッ・・・


わたしは


親友をいじめてしまった……
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