王子様のつくりかた
寝ているのをいいことに、まじまじと龍の顔を見てみた。
改めて見ると、きれいな顔。
鼻筋が通ってて、睫毛が長くて。整った龍の顔。
今日は混乱しすぎて顔なんてしっかり見てなかったから、こうしてじっくり見ると、かっこいいんだな・・・なんて思った。
「ん・・・・・・・・・・・・・・」
「!!」
龍がゆっくりと目を開ける。
しばらくボンヤリしてたけど、ふとその瞳はあたしを捉えた。
「心愛・・・・・・?」
なんだか急に恥ずかしくなってきて、あたしは龍から目を逸らす。
寝顔観察してたなんて・・・・・変態みたいじゃないか。
「りゅ、龍!お風呂空いたから、入ってきていいよ!!」
「ん・・・・・分かった」
そう言うと龍はリビングを出た。
今のあたしはきっと、かなり挙動不審だった気がする。
・・・まぁ、龍は寝ぼけていてあまり気にしてなかったみたいだけど。
「よし、龍が上がったら寝よう」
そう決めて、ソファーで龍を待つことにした。