王子様のつくりかた
「・・・・・・・・・・・・・・って!龍!!メガネしてない!!」
だからさっきと顔が違って見えたんだ!!
「まぁ・・・風呂あがりだし・・・・・」
やばい、これは。
もちろんメガネをしたままでも龍はかっこいい。
でも、メガネをしてない龍は・・・もっとかっこいい。かっこよすぎる。
「・・・・・心愛?」
そう言ってあたしの顔を覗き込む龍。
ちょ、心臓に悪いって!
「顔・・・赤いけど・・・・・熱でもあんのか・・・・・・・・?」
「・・・・・・・・・・ッ」
自分でも瞬時に顔が火照ったのが分かった。
「な、ないない!!何にもないから!おやすみっ!」
バタンッ!
あたしは扉を勢いよく閉めて、部屋から飛び出す。
なんだかものすごく疲れた。・・・気がする。
さっきから動悸がやけに早いし、顔が熱い。
ホントに熱でもあるんだろうか・・・・・
「あ~・・・・・もういいやっ!寝よっ!!」
・・・・・・・・・・この感情の名前をまだ、あたしは知らない。