亰先生のお楽しみ☆

『ふふっ。かわいい猫さんだねぇ。君,助けてあげたの?』

「はい。夢中で木登ったら,結構高くて…」

『優しいんだね…君は…』

(ん?白衣…?)

お医者さんかな…?シャツのボタンは胸元まで開いていた。

私はじーっと男性を見た。

男性は目を合わせると,ハッとした。

『君は…!』

「え?」

『いや…なんでもないよ…』

男性はまたニコッと笑った。

「あ…じゃ,私これで…!!あの!ありがとうございましたっ!」

私は深々と頭を下げた。

そして走って学園に向かった。


『あの子…まさか…加月(カヅキ)さくら…?』

男性がそう言ったのは,私の耳には聞こえていなかった。
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