入れ替わっちゃった恋
他の人から見れば、かわいい顔らしいのだがどうも自分は、納得いかない。
不細工な顔ではないとは、思う。
けど、そんなに好かれるような顔をしているわけではないと思う。
「でもさ、前島もやるよね。隼人くんが、居るのに美波に告白するなんて」
実夏は、前島を見ながらぼやいた。
「隼人くんが美波にゾッコンっていうのも知ってるのにね」
華は、隼人を見ながらぼやいた。
「「なんで、考えなかったのかね―」」
二人は、ハモっって大きなため息をついた。
「いいじゃん、二人のことじゃないんだからさ♪別に、襲われたわけじゃないんだからさ?」
私は、テンションが下がっている二人を元気にさせようとしたのだが……
「だって、美波がかわいそすぎるんだもん!!」
「あんな前島に告白されて、学校中の噂になって隼人くんと別れたりなんかしたら…」
「「うちら、嫌だもん!!」」
「ははは…、ありがとう」
再び苦笑いをしてしまった。
悩み事が1つ見つかってしまった。
それは、前島の存在だったらしい。
けれど、前島の存在よりも
もっともっと
大きな悩みが発生するなんて、
この時の私は、何も考えていなかった。
ただ、今が楽しければよかった。
未来なんて、特に考えてもいなかった。