君の隣の特権



「別れ…」



その続きが

聞きたくなくて



とっさに望の


口を塞いだ



「んっ」



俺らは

初めてキスした




…でも

最初で最後かもな?




そう思うと

やめられなくなった



「ん…あ…き」

「喋んな」



望の口から漏れる声で

理性も壊れた






舌で絡みとって

力任せに俺のものにしたくなった





気がついたら

壁に押しつけていて

望は苦しそうだ






はっとした俺は

ようやく唇を離して


肩で息をする望を見つめた






あ〜…

まじでやばい



「あ、き…なんで…」




涙目で呼吸荒いし

俺より下にいるから

反射的に

…上目遣いだし




「本当お前

勝手すぎ…」



「ぇ?」




やばい

気持ちが溢れて

止まんねー…




「今日ずっと

待ってたのに」






顔が赤いかも

しんないけど…


カッコ悪いかも

しんないけど…


気持ちは

伝えねぇと!





側にいてくれなきゃ

困るんだよ




望じゃなきゃ

やだ





お前の

隣にいられるのは

ずっと


俺じゃないの?














.
< 33 / 43 >

この作品をシェア

pagetop