君の隣の特権
俺が拗ねて
つらつら文句を
言っていると…
望は首を傾げていた
涙目と上目遣いは
変わっていない
耐えきれなくなって
その目を塞いだ
「きゃっ?」
「は〜ぁ…だから
ちゃんと諦めるから
そんな目で見んな?」
強がって言った
望を諦められるわけ
…ないのに
「俺さ、ずっと
言えなかったんだよね」
俺は。
今までにないくらい
緊張していた
…柄じゃねぇ
「お前のこと
好きだから」
…やっと言えた
なんか今なら
強がれる気する
「だから…
別れたくないけど
望が別れたいな…ら
ってえ?」
俺は望の目を覆う
手をよけた
望の目からは
涙が溢れていた…
初めて見る涙に
俺は
あり得ないほど
焦った
.