君の隣の特権





「行かないの?」


「…うん」






休み時間になっても

走り出さない私に

真優は尋ねる









…私もなんか変な感じ




いつも通りに

教室に走ってたら

今頃秋の名前呼んで

秋は少し面倒くさそうに

こっちに来てくれて…



私の頭を

ぐしゃぐしゃにするんだよね









次の休み時間も

その次の昼休みも


私は真優と教室にいた






その図が

珍しいのか

クラスメイトがこっちを

不思議そうに見る









「望〜

なしたの?」



「何が?」



「二ノ瀬くんのとこ

行かなくていいの?」




クラスメイトの1人が

聞いてきた






「う〜ん、…うん」



私は曖昧に

笑って答えた




それから幸いにも

クラスメイトは

何も聞いてこなかった










「あれ、望?」





後ろから

いきなり低い声に呼ばれた











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