Gallery-Back Yard-へようこそ!
「父の友達なんて訪ねたことも、
訪ねてきたこともありませんでしたが
ベルナールおじさんに友達って言ってもらえて
ぼくは嬉しいです」


はにかんだ笑みをベルナールおじさんに向けると
心得たたようにおじさんも笑った。



「ハッハッハ、あいつは
誰が友達か、って睨んできそうだけどね!」


ハッハッハ、と続けて笑うおじさんに
バレリーは否定する言葉が見つからない。



「旦那様、そろそろお時間が」



レナンドが告げ、それが昼食の終わりとなった。



「おっと、楽しい時間はすぐ過ぎるね。
ヴィンセント、いい子にしてるんだよ」


くいっとグラスに残っていた果実酒を飲み干し、
テーブルに置いた。


「あんたなぁ、オレを幾つだと思ってんだ……!」


再びヴィンセントがわめき出さないうちに
席を立ったベルナールはレナンドを伴って部屋を出ようとし
思い出したように止まった。



「そうだ!
バレリー、今日はせっかくだから
泊まっていきなさい。
君に見せたい新しい絵画も
手に入れたしね。
明日、見せてあげよう」



じゃあ、とまた片目を瞑って手をあげた
ベルナールは瞬く間に行ってしまった。


「……だってさ。
お前に仕事がなければオレは明日はアカデミーも休みだし
ぜひ泊まってってほしい」



「仕事はちょうど一段落したとこだから
別に問題はないけど……」



ヤリぃっ、とニヤッと笑うヴィンセントに嫌な予感が過ぎる。



「休み明け提出のレポートが一件上がんないんだよな。
頼りにしてるぜ、アカデミー最年少主席卒業のバレリーくん?」



「やっぱり……。そんなことだと思った」



ため息をつきながら、だいたい何年前の肩書きだと思ってるの
と内心でごちる。
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