境界牲人格障害〜BPD〜

病棟担当の若い男性ワーカーが話し掛けて来た。


「佐藤さん、別れたご主人が話し合いをしたいと言って来てますけど、どうしますか?」


話し合い?


何の為だ?


もしかしたら、子供達を返してくれるのか?


とりあえず話し合いに応じてみよう。


私は条件を付けた。


「担当医師と、市の福祉課の担当さんが一緒なら構いません。」


と。


そして、毎日面会に来てくれていた彼に、ボイスレコーダーを買って来てくれるよう頼んだ。


私は、後から、言った言わないになるのが、大嫌いだ。


何に対しても、絶対的な証拠を残しておくタイプだ。

次の日彼は、ボイスレコーダーを買って来てくれた。

他の持ち物、看護師に一度預けなければならない袋には、入れず、スエットのポケットに電池と一緒にしまった。



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