知らなかった僕の顔
普段からめったに開けることのなかった部屋の押し入れには、今は森若ちゃんの少ない荷物が納められている。


「開けないで」と言われているので、僕がその押し入れを使うことはなくなった。


押し入れの奥の奥に、紙袋で厳重に隠してあるエロ本を見たいと思うことも、もうあまりなかった。


森若ちゃんは、押し入れを素早く開けて、下着や着替えの服などの、必要なものを取り出してはまた素早く戸を閉めた。


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