知らなかった僕の顔
森若ちゃんは、僕らの会話をゲラゲラと笑って聞いていた。


僕は、オサムジャパンよりオシムジャパンが気になって時計を見た。


試合開始まで、あと5分。

「じゃあさ、宮田くんは、何に興味があるわけ?」
矢島さんが、つまらなそうに言った。

「サッカーです!」
僕は、ここぞとばかりに言った。

「出たよ。野球の敵」

「敵じゃないっすよぉ。共存していきましょうよぉ」

「ダメだよ、サッカーは。ルールがわからん」

「教えますから」

「俺は、もちろんオフサイドがわかんないよ」

「もちろんって…。あ、今から試合が始まるんで、ちょうどいいじゃないですか」
僕は、絶好の機会でチャンネルを替えることに成功した。


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