知らなかった僕の顔
お互いの部屋の前まで着いた時、矢島さんが「記念に」と言ってプロ野球チップスをくれた。


僕は、プロ野球チップスとアイスを持って部屋へ帰った。


「どこ行ってたの?」
お風呂場からあがった森若ちゃんが、心配した様子で言った。

「コンビニにアイス買いに行ったら、矢島さんに会ったんだ」

「引き寄せあってるね」

「そんな気がしてきたよ」

森若ちゃんに買ってきたメロンのシャーベットをあげて、僕はプロ野球チップスのカードが誰だったのか確認した。


矢島さん…。

いきなりダルビッシュですよ…。


このカードは矢島さんに返すことに僕は決めた。


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