知らなかった僕の顔
長谷川と別れて、アパートへ帰る僕の足取りは重かった。


途中、ふとハマナス通りに向かいかけた足を止めた。


どうかしてる。

行ってどうなるというんだ。



僕は、自分の気持ちに戸惑っていた。

経験したことのない不安と、焦りにも似た気持ちが僕を早足にした。


照りつける日射しを浴びて、全身から汗を流しながら僕は家路を急いでいた。


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