知らなかった僕の顔
「電話、留守録入ってるみたいだよ」
僕は、冷蔵庫からペットボトルのウーロン茶を取り出している森若ちゃんに言った。


「うん、宮田くん再生ボタン押して」
森若ちゃんは、ウーロン茶をグラスに注ぎながら言った。

「いや、でもさ……聞かれたくないこともあるだろうし…」

「宮田くんに聞かれたくないことなんて何もないよ」
森若ちゃんは、僕の目を見て妙にきっぱりと言った。

少し戸惑いながらも、僕は再生ボタンを押した。



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