知らなかった僕の顔
「そんな俺の、人生で初めて経験した大きな挫折は、皮肉にもマウンドの上で起きたんだよ」

「打たれちゃったんだ?」

「そう。甲子園出場をかけた大事な試合で。しかも、さよなら満塁ホームラン打たれてさ」

「うわー…ドラマのようだ」


「打ち込まれて満塁になった時点で、俺もうビビりまくって、わけわからんくなってたんだ。それで気づいたら甘いストレートをレフトスタンドに運ばれてた。でもねぇ、何がショックだったかって、打たれたことじゃあないんだよ」

「何だったんですか?」



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