知らなかった僕の顔
あまりに眠かった僕は、起き上がって彼女を見送ることもせず、ベッドの中から目だけで彼女の後ろ姿を追った。


森若ちゃんは、僕の好きないつもの独特の歩き方で部屋を出ていった。



そのまま耳をすませていると、彼女がバイクのエンジンをかける音が聞こえてきた。


僕はベッドの中で、朝日を浴びてキラキラと光る彼女のシルバーのバイクを想像し、もう一度眠りについた。



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