知らなかった僕の顔
僕は窓辺に立ったまま、この夏の出来事を思い返していた。


行く気のなかった居酒屋で、森若ちゃんに出会って恋をした。


それが今の僕の全てになった。


時々、もし彼女に出会えていなかったらと想像して怖くなった。


突き詰めて考えると、あの居酒屋に誘ってくれた長谷川にも感謝しなくてはならないと思い、僕は森若ちゃんに頼んで長谷川の携帯番号をさなえちゃんに渡してもらったが、二人はその後どうなっているのだろう。


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