知らなかった僕の顔
その時かかってきた携帯の着信に、僕は安心よりも胸騒ぎを覚えた。



電話の相手は、長谷川だった。



「…宮田?お前…今どこにいる?」

「…部屋だけど」

「…あのな…落ち着いて聞けよ。今…さなえちゃんから連絡があったんだ。その…森若ちゃんが……」

「…何だよ…森若ちゃんが何だよ」

「バイクで…事故にあって…病院に運ばれたんだけど……駄目だったって」

「何言ってんのお前…何を…何言ってんだよ…駄目って…駄目って何だよ」

息が出来なかった。



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