知らなかった僕の顔
鞄のファスナーは開いていて、マニキュアを入れていた化粧ポーチが真っ先に目についた。


僕はその化粧ポーチを取り出し、テーブルの下に落ちていたマニキュアをしまった。



他には何も見るつもりはなかった。


彼女の鞄の中身を引っ張り出してまで、あれこれと詮索する気にはなれなかった。



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