知らなかった僕の顔
僕は何が起こったのかわからず、ただじっとされるがままの状態で、目だけは繋がれたお互いの手を見ていた。
手の中に何かがある感触がした。
明美さんは僕から手を離すと「美味しいから」と言ってその場を離れた。
心臓がとんでもない早さで鳴っている。
僕は手を開き、握らされた何かを確認する。
それは、ピンクの包み紙に入った飴玉だった。
これが阿部ちゃんが見た光景と同じ出来事ならば、その大学生は明美さんにからかわれていただけなのかもしれない。
僕は包み紙を破り、飴玉を口に放りこんだ。
甘いイチゴの味がした。
ゴミ捨て場の前には、明美さんの残した強烈に甘い香水の香りがいつまでも漂っていた。
手の中に何かがある感触がした。
明美さんは僕から手を離すと「美味しいから」と言ってその場を離れた。
心臓がとんでもない早さで鳴っている。
僕は手を開き、握らされた何かを確認する。
それは、ピンクの包み紙に入った飴玉だった。
これが阿部ちゃんが見た光景と同じ出来事ならば、その大学生は明美さんにからかわれていただけなのかもしれない。
僕は包み紙を破り、飴玉を口に放りこんだ。
甘いイチゴの味がした。
ゴミ捨て場の前には、明美さんの残した強烈に甘い香水の香りがいつまでも漂っていた。