知らなかった僕の顔
帰る道すがら考える。

阿部ちゃんは、いい子だと思う。

多少口は悪いけど、本当は優しくて親切だ。

顔も可愛いい。

しかも巨乳だったりする。

でも僕は、阿部ちゃんに対して恋愛感情を持っていない。

親しい友達という感覚とも違う。


そういう異性の阿部ちゃんを気軽に部屋に招き入れることに抵抗がある。


なぜなら僕は、ただのスケベで臆病な、男という悲しい生き物のことをよく知っている。


男の立場から言うのもおかしいが、女の子には好きでもない男の部屋に簡単に入ってほしくないというのが、僕の勝手な希望だ。


森若ちゃんなら…。

森若ちゃんが遊びに来てくれたら…純粋に僕は嬉しい気がした。


「なんだよそれ。すげえ勝手だ」
僕は、独り言を呟いた。

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