知らなかった僕の顔
味わったことのない種類の空気が流れ、僕は変な汗をかいた。

「えーと、お一人で住まれるんですか?」
僕は、とりあえず話題を変える。

「一人だよ。ああ、今朝いた二人は友達で、あの時間帯でしかトラックの都合がつかなかったんだ。早朝だったし、変に思ったでしょ?ヤバい奴らだと思った?」
矢島さんは、もはや完全なタメ口だった。


「いや、別にそんな感じでは…」
そうですね、なんて言えないよ。


「そのTシャツ格好いいね」

矢島さんは、僕がシャワーの後に慌てて着た、今日のデートに着ていく予定のTシャツをジッと見ている。

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