知らなかった僕の顔
森若ちゃんが口を開くまでのほんの数秒間を僕は永遠に感じた。
「宮田くんがね…」
「…うん」
「キュウリをね」
「…うん?」
「キュウリを拾って食べてくれたじゃない?」
「ああ…うん…うん」
「すごいびっくりしたんだけど嬉しくて。こんなことする人、たぶん他にはいないって思った。その時から…」
「…」
「宮田くんに、やられてた」
「宮田くんがね…」
「…うん」
「キュウリをね」
「…うん?」
「キュウリを拾って食べてくれたじゃない?」
「ああ…うん…うん」
「すごいびっくりしたんだけど嬉しくて。こんなことする人、たぶん他にはいないって思った。その時から…」
「…」
「宮田くんに、やられてた」