知らなかった僕の顔
僕のリアクションを見て、阿部ちゃんはゲラゲラと笑った。


「今のは、しかえし」

「参りました…」

「まあでも、彼女にフラれたら考えてやってもいいよ」

僕は、なんて答えていいやらわからず、アホのような曖昧な顔で笑っていた。


「じゃあね、色男。彼女によろしく」

「う、うん…おつかれ」


僕は、とことんからかわれ上手な自分にちょっと感心しながら帰り支度を始めた。


< 90 / 203 >

この作品をシェア

pagetop