知らなかった僕の顔
「あれ?宮田くん、どっかで転んだ?」

「ん?転んでないよ」

森若ちゃんは、ケーキの箱の中を見て、不思議そうな顔をしている。


「ケーキがね、全部崩れてるの」

「あっ!あれか…。バイトの仲間にさ、ちょっとからかわれて、箱を落としそうになったんだよ。きっとその時崩れちゃったんだね」

大爆笑する阿部ちゃんの顔が浮かんだ。


「そっか。あーん、でも美味しそう!早く食べよ?」

「ああ、うん。森若ちゃん、全部食べていいよ」
僕は、部屋着のジャージに着替ながら言った。

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