会長の看病
鮎沢が誰よりも頑張っていることを、俺は十分承知している。

ただ、その頑張りが自分を追い詰め、自分を含め、回りの人達に心配にさせていることに気がついて欲しかった。

弱っている彼女に威圧的に言い張ってしまった。しかも語調を強めて言ってしまった。
今更、遅いが後悔している。


謝ろうとして、ふと鮎沢を見ると、鮎沢は頬に一筋の涙をこぼしていた。
鮎沢は拳を膝の上で握り締めて泣いていた。



「鮎沢!?」

「碓氷…ごめん…っ。私、碓氷に心配ばかりかけて…っ。いつも、私のこと大切にしてくれてるのに…っ、私は、…っっ」



しゃっくりをあげなら、俺に謝っている。



「碓氷・・・ごめんーー」

「謝らないで、鮎沢」




俺は鮎沢を優しく抱きしめながら、そう言った。




「ごめんね。言い過ぎたね・・・」

「そんなことないぞ。私の行動が、たくさんの人に心配をかけていたことか・・・お前の言葉で気づかされたよ・・・あ、ありがとな///」

「本当にごめんね。でも、顔が真っ赤だよ?」

「うっさい!そんなこと言われなくても、自分でわかっている!!///」

「はいはい。じゃあ、お粥食べようか?」

「あぁ、そうだな。」
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