会長の看病
もそもそと起き上がろうとする鮎沢を支えてやり、枕を背中にあてるように置いて、体を支えるようにする。

思わず、悪乗りかな?なんて思いながらスプーンを取り、軽く掬うとフーッと息を吹き掛けた。


「はい、あーん」


鮎沢は口を開いて俺が差し出すスプーンからお粥を食べた。
……なんとなく素直な気がするのは、熱の所為だろうか?
いや、熱の所為だと思う。


「・・・うまい」

「そう?よかった」


鮎沢は、お粥を残さず全部食べた。


お粥を食べてから、熱を測った。
さっきよりは下がっていて、もう一息というところだった。


「熱、下がってきたね。また、寝なよ?」

「そうするよ。てか、お前寒くないのか?」

「少し寒いかも・・・」

「じゃあ、上着を・・「いいよ。暖まれる方法見付けたから!」

「そうなのか?」

「美咲ちゃんと添い寝をすれば良いんだよv」

「・・・!なんで、そうなる!!・・・でも、べっ、別にしてやってもいいぞ・・・///看病してくれているからな///」

「本当?ありがとう」


俺は、さっそくベットに入った。鮎沢は、少し警戒していた。


「大丈夫だよ?そんなに警戒しなくても・・・。何もしないから」

「・・・あぁ」


俺は、鮎沢を優しく抱き締めた。
すると、鮎沢が俺の服の袖の部分を握った。
握ったときに気づいたら、鮎沢は寝ていた。


まったく・・・無防備なんだから・・・



俺もいつの間に寝てしまった。
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