奈良の都の妖しい話
「…何か用?お姉さん。」

「あら、私のこと忘れた?桃泉。」

「その声は紫遙ね…大和に行ったんじゃなかったの?」

そう言いながら桃泉は乞食姿から村娘のような姿になった。

「あのさ…たしか妖怪が人になる方法が一つだけあったよね…?」

「貴方…人になるつもり!?」

「……。」

「正気……?」
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