奈良の都の妖しい話
そして、ほとんどの人が寝静まった子の刻・・・

(やっぱり断ればよかったかな・・・)

「黒矢~!」

「あ、支度が出来たようですね。」

「ええ。」

「・・・姫、忠告しておきますが、一度外へ出たら二度と帰れないと覚悟しておいてください。」

「・・・やっぱり外は危険なの?」

「それもありますが・・・やはり、姫のような御方が行方不明になると戻りづらいですからね・・・。」

「そっか・・・ちょっとまっててくれる?」

「はい。」
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