奈良の都の妖しい話
「…これが妻の玉懍と娘の渚です。」

「はじめまして。どうぞゆっくりしていってください。」

「ありがとうございます。」

「綺麗な細君だな。いくつなんだ?」

「二十二です。」

「お前より二歳上か。」

「はい。手に入れるのに苦労しました。」

「…良かったな。…幸せで。」

「はい。…どうか黒矢兄上と白華殿にも幸あれ。」

「ありがとう。」
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