奈良の都の妖しい話
黒矢と白華はその日波麻呂の屋敷で一泊し、翌朝出立した。

「それにしても、凄い人だな…流石唐…。」

「…そうだな…これでは桃泉に会えるかどうか…あいつ、気配隠すのが上手いんだ。」

「そうなのか…。」

「……ん?」

「どうした?」

「…桃泉…!」

「えっ?…あっ、白華!待て!」

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