奈良の都の妖しい話
数刻後…

「白華、起きろ。…白華!」

「う…ん…ああ…もうこんな刻限か…。」

「酒屋でも良かったんじゃないか?」

「……。」

「っていうか、弱いくせにそんなに飲むなよ。」

「るせー、ザル…。」

「…桃泉にはいつか会えるさ。」

「どうかな。俺、あいつのこと…ずっと前から避けてるし。」

「素直じゃないな。」

「お前に言われたかない。」

「はいはい。そろそろ出るぞ。」

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