奈良の都の妖しい話
「…っと…そういえば白華。」

桃泉はやんわりと白華の腕を退け、話し出した。

「…前、紫遙に会ったわよ。」

「なっ!!ど…どこで!?」

「えっ!…えっとこのあたりから大体二里ほど北にいった…っていうかどうしたの?そんなに慌て…。」

「いや…ちょっとな…。」

「…でも、本当に数ヶ月も前だから、今は何処にいるか…。」

「そう…だよな…。」

「今日は……うち、来る?」

「えっ!良いのか?」

白華は顔を思わず輝かせた。

「部屋余ってるし。」

「……え?」

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