奈良の都の妖しい話

「俺は・・・簡単に言うと、半人半妖なんです。」

「半人半妖・・・？」

「はい。俺の先祖は唐の神の一人、伏羲に使えていた妖怪でした。」

「伏羲・・・って唐の神の…？」

「そうです。しかし・・・ある日、伏羲の怒りに触れて処刑されそうになるんです。処刑されることを知った彼は妻と子を倭の国に逃がし、自らは死にました。」

「それじゃ、後に黒矢の片親が日本の人と・・・？」

「はい。・・・俺が生まれる前に亡くなった父が人間でした。」

「でも・・・驚いたわ・・・。」

「でしょうね・・・これから、どうします・・・？」

「・・・今更、戻るわけにはいかないわ。」

「分かりました。実は今から私の母達が住んでいるところへ行こうと思っていたのです。」

「・・・ねえ。」

「はい。」

「その人(？)達皆妖怪だよね・・・(黒矢もだけど)危なくないかな・・・？」

「大丈夫ですよ。事情を説明すれば分かってくれると思います。」

「良かったあ～。」

「・・・行きましょうか。」

「ええ！」