奈良の都の妖しい話
「でも貴女と近い年の殿方で素敵な方っているかしら?」

「そうねぇ…ちょっと位はあれだけど厩の翁の上の孫にあたる人とか。」

「はあ…でも将来が危ういわよ。」

「そうだけど…。」

(……良いわね…。何だか二人が羨ましい……。……っ…また…吐き気が…)

簾の向こうにいる侍女達にバレないように美羽子はその場を離れた。

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