奈良の都の妖しい話
(…やっぱり、私…黒矢が好き。もしも……お腹の子の父が黒矢だったら…本当に命が惜しくないのに…今の幸せは長く続くかどうかわからない……早くてあと三月か四月で…私はもしかしたら…。)
(姫…こうして腕の中にいると改めて実感する……姫のお腹には……。なんとお痛わしいことだ…この方に罪はないのに……もし、数ヶ月後に姫が儚くなってしまわれるなら…俺は間を置かずに後を追おう…。いや…その前に…事の発端の張本人を………できるだろうか?自分の血縁者を葬るなんて…)
黒矢は美羽子の顔を見つめた。
(いや…やってみせる…この方のためならば…。)
(姫…こうして腕の中にいると改めて実感する……姫のお腹には……。なんとお痛わしいことだ…この方に罪はないのに……もし、数ヶ月後に姫が儚くなってしまわれるなら…俺は間を置かずに後を追おう…。いや…その前に…事の発端の張本人を………できるだろうか?自分の血縁者を葬るなんて…)
黒矢は美羽子の顔を見つめた。
(いや…やってみせる…この方のためならば…。)