奈良の都の妖しい話
暫く後…

「黒矢、少し良いかしら?」

「何ですか、母上。」

「…今、思いだしたんだけど……いざとなると言いにくいわね…。」

「?」

「その…白華と紫遙の母君…」

「えっ!二人の母は同じなのですか?」

「…そうよ…。」

「人なのに何故?…二人の父君は健在ですよね…?」

「ええ。…実はね、半妖の子を産んでもたまに暫くの間生き延びることがあるのよ。」

「えっ…!」

「まあ、一年程度だけど…でもね、その間に…その……また子が出来れば…産まれるまでの約三年はまた生きられるわけで…これは父母関係なしにね。」

「…何が…言いたいのですか…?」

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