奈良の都の妖しい話
やがて夜が明ける頃になって…

「!!頭が出てきたわ。」

「姫、ちょっと失礼。」

「…何…するの…黒矢…。」

「……。」

「??」

「もう少しよ…。」

(!!…これが…妖怪の赤子…確かに姫には見せない方が良いな…。)

暫く後、うるさ過ぎる程の産声をあげたのは…薄紫の毛色の猫のような獣だった…。

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